小生の語録

<障害にあたらない研究は少ない
その障害を突き抜けなければ成功はない>

それにはまず障害・問題の本質を知る.どこがどうだったら障害は乗り越えられるという所まで,十分に考えておく

<男は黙ってデータを示せ!!>
「男は黙ってサッポロピール」というコマーシャルがあるだろう(古い話だが).データは見ただけで何が言いたいかわかるように工夫して整理する.
口数多く説明しなければわかってもらえないような整理ではダメ.整理が悪いのは,研究内容や成果が分かっていない証拠.

<わからなければ,わかるところまで元に戻れ!!>
そうすれば,問題の本質がわかる.

<アイデアはトイレで思いつくことが多い!!
それは大か小か(答)小>

ひらめきは一瞬で,大のように時間をかけて考えていては欲目という無理があって成功する確率は小さい.

<データの信頼性は試料に「目的にあった実験がされたか」と聞け!!>
キーポイントになるところは慎重かつ綿密に実験をしなければならないが,問題が少ないところは四方八方に気をくばり,なるべく手を抜いて要領よくやれ.考えずに実験をしていると,目的から外れた意味のないデータになることが多い.

<技術者は皆さんには白いご飯が食べられるようにして、
自分は金のめしを食おうと努力せよ!!>

新技術が完成したあかつきには,皆さんと一緒に白いめしを食うほうが喜びは大きい.しかし開発中,難関を越えるには金のめしを食おうというくらいの思いがなければ最後のガンバリはきかない

<現象は部分的にとらえるのでなく全体の中でとらえよ!!>
技術にはそれぞれキーポイント(本質)がある.開発にはそれを知ることが最重要である.しかし各現象はキーポイントが色々と形を変えて現れるので,個々にとらえていては,キーポイント(本質)を見失ったり,見誤ったりする.

<マジメなんかくそくらえ!!>
マジメだけでは平凡な成果は得られるが,魅力ある成果は得られない.いかにしたら、なまけていても頭がよいと思われるか考える.

<失敗するほうが成功するより多くの情報が得られる!!>
成功は予想通りなので,新しい展開の可能性は少ない.失敗は予想外のことなので,考えた理論が違っていた証拠として理論を修正する情報になる.だけでなく予期しなかった現象であることから,予想外の展開が出来ることがある.

<人に神経質と思われるくらい細かいところにまで気をくばれ!!>
魅力のある小さな現象も見のがさない.

<新しい研究にとりかかるとき、『とりあえずこの辺から始めようか』というくらいの気持ちでやれ!!>
やっている間に,その研究の問題点や魅力がわかってくる.
それからが本当の研究である.
始めから無駄なく,整然と本格的な研究をしようとすると,なかなか手がつかない.

<勉強したことは頭に覚えるのではなく身体に入れよ!!>
・若いうちに技術者としての体力をつける.
・必要性が低いと思うものでも,体力のもとになるのでできるだけ広く学ぶ
・式を式として覚えるのではなく物理現象・化学現象など自然の魅力としてとらえる.
•各種現象(日常見聞すること、学問として学んだこと)を面白さとしてとらえておくと、必要なときに体から出てきて利用できる.(勉強として無理に頭に覚えたものは利用できない).

<成果に向かって研究を進めるのでなく、研究全体が理解できるように心掛ける>
研究に対する視野が狭いと,成果も予想した範囲にとどまるが,研究全体(本質)が分かれば予想外の未知の現象も見逃さず大きな成果が得られる.

<人のすばらしい成果に出会ったら、その本質を知って感心する!!>
しかし一方では自分がそれに気が付かなかったことを悔しがれ.
その気持ちが新しいことを考え出すエネルギーになる.

<常識というベールにまどわされず,個々の現象に振り回されず、その奥にある真実を見極めよ!!>
常識的な解釈は他人からの批判は少なく,論文にもなるが,それだけで世の中の役に立たない.他人から批判されても,非常識を恐れず真実に向かってできるだけ広く原因をさぐれ.

<何かわかるまでは夢中でやれ!!>
新しい研究を始めたときは牛乳のような真白い霧の中にいるようなもので,なにもわからない.
しかし一つわかると霧の中に一筋の光が差し,その部分だけ霧が晴れた感じがする.
すると,それとともに急にその周りの霧が睛れ,その研究の全体がわかってきたような感じがする.

<研究の整理はひんばんにやれ!!>
整理しなくても、それぞれのデータが理解できるとそれで十分なような気がする.しかし改めて整理すると全体がつかめるだけでなく,まったく新しい方向への展開や発展につながる.

<自分の理論が、その後の研究成果で少しでも矛盾が出たら、その理論は全面的に撤回せよ!!>
そのまま正当化していると、無理なこじつけを重ねることになり、最後にはみじめな思いをすることになる
それに対して、新たな理論を立てることにすれば、それまでのことが基になって、真の理論を導き出せることが多い

<最後はひらめきだ!!>
その際すべてがヒントになる.例えばなんの関係のない雑談でも、その時の言葉さえヒントになる。問題解決に対する要求が強いほど、ひらめく確率は高い

<研究計画はしっかり立てろ!!>
計画を立てても実際にやれるのは,計画の1割か2割である.だから不満を感じて,もっと頑張ろうという気持ちになり、かつ要領よくできる.

<研究発表の仕方>
・データの説明や者察が立派でも,ら列ではだめ.次の図が出てくる必然性を聴衆に感じさせ,『つぎに』という言葉を使わない.
・論文の主題に沿ってストーリーがあること
・山の連続では山の高さがわからない(山:成果)
・成果を話す前に一度ズッコケてみせる。一度谷を見せると山の高さが強調される
・ポーっと聞いていてもわかるように話す。話を聞いているうち、だんだん引き付けられるようにする